読書

【感想】真梨幸子『6月31日の同窓会』|主観と客観の違いを突きつけられる

著者の小説を初めて読んだのは『ご用命とあらば、ゆりかごから墓場まで』。『アルテーミスの采配』も読みました。こちらは『6月31日の同窓会』の前に出版されていますね。

『6月31日の同窓会』は、著者の作品とは知らずにインスタの投稿で感想を見て知りました。

あらすじだけだったら読むとしても後回しにしてたと思うけど、インスタで読んだ感想があまりにも興奮していて面白そうだったので読んでみることに。

結果、面白かったので感想記事を書くことにしました。ネタバレがあるかもしれません。

あらすじ

「さて、同窓会を下記のとおり開催することとなりました。……
日時 六月三十一日 場所 ホテルニューヘブン」――

神奈川県の伝統ある私立女子校・蘭聖学園の卒業生・柏木陽奈子(28歳)のもとに、
突然届いた同窓会の案内。
「あれ、6月に31日ってあったっけ……」と案内を受け取った後、
陽奈子は謎の死を遂げる。
学園卒業生の連続死を調べている弁護士・松川凛子は、死亡した女性が
皆同じ案内状を受け取ったことを突き止めるも、自身にも案内状が届いて――

頭の中で情報を補完しながら読めない

「待って、ちゃんと整理させて」

いちばん始めに出てきた感想がこれ。実際に、人物関係を整理して(相関図でも書いて)読み直そうとも思った。絶対そっちの方が面白いだろうし。

図書館への返却日が来てしまい、整理する前に返すことになったのだけど、小説を読み直すことがない私には、珍しい感想のように思う。

おすすめの小説教えてって聞かれたら、この小説をすすめると思う。それぐらい面白いと思ったし、気に入った。

嫌な話ではある。でも面白いと思う。

ふだん、登場人物が多いなど関係性がややこしい話でも、そういう話なんだなって適当に頭の中で補って(合ってるかどうかは別に)、完結させることが多いんだけど、この小説は無理だった。

主観と客観が違うって当たり前だけど怖い

「待って、ちゃんと整理させて」

と思ったあとに、じわじわとボディブローのごとく意識させられたのが、主観と客観の違いだった。

小説ならではだと思うけど、主観的にも客観的にもある一人の人物を眺めることができる。

その手法によって、「あなたが思っているような人物じゃないかもよ、あなたって人は。」って突きつけられているみたいだ。

自分の知らぬところで、客観的に捉えられた自分が人からは良いように思われてないかも。そんな当たり前のことに怖くなった。

考えてみれば当たり前の話だけど疑心暗鬼になりそうなところを突いてくる作品。

真梨幸子氏に興味がわいて仕方がない

嫌悪感を抱いて仕方なかった『月の満ち欠け』(記事はこちら)は『ロリータ』から着想を得たらしいんだけど、この嫌な気分にならざるを得ない『6月31日の同窓会』は、一体何から着想を得て書いたのだろう?

普段から何か生み出す作業をしている人ってすごいなぁと思っているのだけど、あらためてその気持ちを強めることになったな。

小説って相性が合う合わないによって、読む読まない、面白い面白くない、が決まると思ってて、そもそも手に取ることが少ないし、読み終える作品も少ないけど、久しぶりに面白いなぁと思った。

きっとこの作品も誰かにとっては面白くないだろうけど、私にとっては面白かったのでブログに残しておきます。

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