読書

【感想】高野 和明『幽霊人命救助隊』ラブマイセルフの第一歩となった

匿名メッセージサービス「マシュマロ」を通じて、「おすすめの本を教えてください」とツイッターに投稿したところ、教えてもらった本が『幽霊人命救助隊』。

薦めてくださった方、ありがとうございます。

刺激されたところがあったので、自分以外にも読んでもらいたいな~と、ブログ記事にすることにしました。

あらすじ

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒涛の救助作戦。

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タイミングが合う本というものがある

かつての私のように「消えてなくなりたい」と思っている人たち、を助ける側が小説の主人公です。

主人公たちは、なぜ救助対象の人々が「消えてなくなりたい」と思っているのか、どうすれば助けられるのかを解明していきます。

自分自身の体験もあって、小説を読みながら追体験しているような気分になりました。

「なるほど、あの時の私はこういう状況だったのか」とか「うんうん、こうしてほしかったんだよな」だとか。

主人公たちが救助していく人々の様子を客観的に受け止めることができたのは、心に少しだけ余裕ができて、自分と向き合える力が育ってきたからだと思います。

心が荒れているときにこの本を読んでいたとしても(そもそも本なんて読めなったけど)、胸に響いて何かを考えるきっかけにはならなかっただろうな。

だからこそ、いま、このタイミングで読むことができて良かったと思います。

なにはともあれ、生きていることが大事

小説に書いてあったことを踏まえて、自分が覚えておきたい「生きるためのメンタルハック」をまとめました。

自分が苦しかった時期のことも踏まえて書くことにしたので、読んでから記事を書きあげるまで時間がかかりましたが、その分自分と向き合えたように思います。

これが本と対話するということなのかもしれません。

重ね重ね、本を薦めてくださった方、ありがとうございます。

悲観フィルターがかかっていないだろうか

希死念慮が浮かぶことが多かった時期があります。

この先の未来が良いものに思えなくて、漠然と「消えてなくなりたい」そう思うことが増えていきました。

「いま、こんなに辛いのだから、これから先も辛い。もしかしたら、もっと辛い状況になるかもしれない。」

そのときの私は本気でこう考えていて、状況が好転することなんて、まったく考えられませんでした。

いま思えば、怖いぐらい悲観的。

未来を予知する能力がない私たちが、どんな未来が待ち受けているかなんて分かるはずがないのに。

「悲観的な未来が待ち受けているのではなく、未来を悲観的に見るフィルターがかかっているだけ」

このことに気づくだけでも、思考を矯正できていくぶんか過ごしやすくなると思います。

と言いながら、いまだに「もうダメだ…」って思うことは多いんですけどね。

決まりきった未来なんてないのだから、未来に絶望することはしないようにしたいです。

Not 完璧主義でいこう

心が壊れてしまう人の中には、完璧主義な考え方の人が多いと聞きます。

自分が思い描く「完璧」ではないことに、絶望し、打ちひしがれ、そんな状況を作る自分には価値がないと思い込み、心がズタズタになってしまうのかもしれません。

完璧主義な人は、壊れると一瞬って感じがします。

自分にも完璧主義なところがあり、そのことで心が壊れていくの加速させてしまっていました。

  • 0か100かではないこと
  • 方向を誤ればその都度調整すればいいだけだということ
  • 視野を広げれば他の選択肢はたくさんあること

あのときは分かっていたなら…と思わなくないけど、今の自分はちゃんと分かっているので、また前を向いて歩いていけるはず。

自殺を美化しない

自殺に対して「そういう選択肢もありだ」とか、「今までよく頑張ったね」なんて、言いたくありません。

死を考えるとき、確かにきっかけとなる事件はあるけれど、

命にかかわるような問題では決して無く
本人の性格、生活環境、身につけてきた価値観、物事への対処法が複雑に絡み合って自殺への一本道に追い込んでしまう

と、小説にも書かれてありました。

死を肯定的に捉えすぎるのは、常軌を逸しているのではないでしょうか。

死の誘惑は断ち切らねばならないもので、自殺者を出さないように全方位から改善していくことが社会のすべきこと。

そして、社会を構成する一員として自殺を肯定しないこと、自分に出来ることを考えることが大切だと思います。

私自身、死にたいと本気で思っていた時期があったからこそ、死を望んでしまうのは心の病だと思うからです。

「隣の芝生は青く見える」現象

自分以外の人生を羨んでしまうのは、隣の芝生は青く見えるのは、なぜでしょうか?

青く「見える」フィルターがかかっているだけかもしれないし、そもそも隣の芝生が青々と茂っていても、枯れていても、自分には関係ないことのはずなのに。

それでも、他人の人生を羨んでしまうのは、たった一つしかないその人生を、自分は手に入れることができないからでしょうか。

限定品とか、一点物に弱いのと一緒で、たった一つしかないから欲しくなるのでしょうか。

自分の人生もたった一つしかないのに、私たちはそのことを忘れがちですね。

生きるために必要なこと

  1. 人と人との結びつき
  2. 心身の健康
  3. 経済

この3つが揃っていれば自殺はなくなるのでは?と『幽霊人命救助隊』の主人公たちは考えるんですが、主人公たちが考えると同時に、読者も問いかけられていたと思います。

どれか一つが壊れたとき、この世で生きていきたいと思えるか?

自分が希死念慮にとらわれていたときは、①「人との結びつき」が原因で退職、その影響で③「経済」が一気に悪くなりました。

坂を転がり始めた石ころが止まれないように、②「心身の健康」は著しく悪くなり、底なし沼にいるような気分でした。

③つが揃っていたら自殺がなくなるかどうかは分からないけど、③つが欠けてしまったら自殺への道が待っているような気はします。

ラブマイセルフへの第一歩となった本

小説を読んだら、巻末にある参照文献も確認することが多いのですが、著者は自殺や鬱、精神に関わる本を多く読まれたようでした。

客観的で、でも心に寄り添ったテーマの扱い方と感じる小説でした。

『幽霊人命救助隊』を読む機会があれば、生きることについて見つめなおしながら、読んでみてほしいです。

「マシュマロ」でおすすめして下さった方が、どんな意図でおすすめしてくれたのかは分からないけれど、本当に良いタイミングで読めたなぁと思いました。

この本は、散り散りになった私を拾い集めるために必要な本でした。

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